04-21 試験湛水
1997(平成9)年 第1回試験湛水 コア浸透水計測ブロックの計測値が予測値を超えたため、試験を中止した。調査の結果、基礎浸透水計測ブロックからコア浸透水計測ブロックへ越流していることが判明した。コア、基礎ブロックの分離計測を行うため、堤体下流に立坑を新設し、立坑からの水平ボーリング排水により地下水位の低下を行う。当初の想定より浸透量が多いことは、広域的な水理構造から被圧現象がダム軸下流に広く認められること、堤体の河床部基礎のみならず、左右岸の地山からも浸透水がダム下流に集まりやすくなっているためと評価した。下流からの隔壁越流は、水位標高による計測値の補正を行い、コア浸透量を評価した。(コア浸透量の計測は、当時の農水省用水対策室長からの絶対的指示、これができなければ水位を上昇させることができなかった。)
浸透量計測施設の点検の一環として、導水管内のカメラ調査を行ったところ、途中で潰れていたり、ジョイントが外れている部分もあり、破損箇所から集めた浸透水が流出したり、流入している部分があった。これらも周辺の地下水位との関係を整理し、計測予測値の修正を行った。
2000(平成12)年には第4回試験湛水を行い、その分析評価から、第5回試験湛水により満水位を保持することができた。水平ドレーン内の流下阻害もあってか計測値の絶対量は減少したが、その分、下流の地下水位が高くなり計測範囲外への浸透もあると考えられる。一体何を測っていたのだろうか。浸透量が如何に多くとも、計測値が貯水位との相関関係を保っていることでダムの安全性を評価した。
ダム安定性が確認できたので、地元では維持管理が困難となる立坑を閉塞し、観測系統も再編した。