22-35

22-35 ダム洪水の影響検討

【経過】

 共用開始後、危機管理のためのマニュアルづくりが各地のダムにおいて行われた。作業検討中に美瑛町役場から、しろがねダムが決壊した場合、美瑛町市街はどうなるのかとの問合せがあった。しろがねダムで計測される浸透量に不安を感じていたのかもしれない。

 これまで、建設省から出向されていた農水省用水管理対策室長から、鶉ダム(試験湛水前に豪雨により貯水位が急上昇した)が決壊した場合の被害を想定せよとの命題を受け、洪水量を当てずっぼうに算定、不等流解析による洪水位を算定したが、町相手に子供騙しは使えない。洪水解析はiRICとそのソルバーNays2DFloodを使用すれば、地形要素を含めて範囲、到達時間を推定、ビジュアル表示できることは分かっていたが、問題は洪水量の設定である。

 堤体が瞬時に消失したかのようにダム容量を一気に流下させることにはならないが、具体的なモデルが描けない。ダムの決壊が強振によるものか、浸透破壊によるものか、部位はと考えるとモデルが多すぎる。町が懸念しているのは、異常時における住民の安全性と連絡であろうと考えつつ、根拠となる資料を探したが、ダム決壊による洪水事例はあっても数値化ができ情報がない。日本の事例では。

 ようやく見つけた文献は、砂防学会誌に掲載された「中国における天然ダム決壊時の洪水解析手法とその評価」である。中国の天然ダムとはどのようなものか、山体崩壊による堰き止め湖であれば、流石に日本で機械施工されたダムの方が安全であろうとの勝手な解釈から、いくつかの洪水量から妥当と思われる値を定め、iRICソフトで解析した。結果は、美瑛町市街までの洪水到達と市街の水深は、1時間後に1m以下となった。美瑛町役場がこの結果をどう解釈したか分からないが、さらなる検討は求められなかった。仮定の数値が一人歩きすることが怖かった。

ダム仮想洪水

 仮想洪水 45倍速で表示、実際の経過時間は左上のタイムカウンターを参照

22 しろがねダム